漫画【ワイルドストロベリー】1巻紹介 重く醜くも美しい人間の戦い
世にパニックものは数多いですね。
ホラーやゾンビ、未知の怪物とのバトル、そこで描かれる極限の感情をむき出しにした人間ドラマ。
今回紹介するのは【ワイルドストロベリー】
日本の東京で出現した人食い植物
人に感染し、人をだまし、ひたすらに人を食らい続ける化け物
そんな怪物を相手に、人々が命を花弁のごとく散らしながらも絶望に立ち向かう漫画です。
タイトル自体が果実の名前なのですが、その花言葉は「無邪気」「尊重と愛情」「幸福な家庭」など。
どれも若い主人公兄妹の内面を、ド直球に表現するワードになります。
大人を無条件に信じていた幼さ
お互いの他に何もいらないと言える深いキズナ
家族でファミレスにいつか行きたいという小さな夢
1巻ではこれらの描写が時に熱烈な感情表現で、時に無感動な言葉で描写されていく。
一歩外に出れば道や建物にまとわりつく植物だらけ
感染したと判断されれば、意識が残っていようが焼却処分
そんな環境で10代の若者兄妹がどう生き抜くのか。
【ワイルドストロベリー】を解説させていただきます。
激重の兄妹愛がキレイな花のように表現されているようです。
作品概要 ・あらすじ
- 作者 :米元いれ
- タイトル:ワイルドストロベリー
- ジャンル:非日常系
- 出版社 :集英社
- 連載誌 :ジャンプ+
- 最新刊 :1巻(2023年11月)
- 媒体 :電子書籍、単行本、週刊誌
引用元:ワイルドストロベリー1巻
人花
人に寄生し、人を養分として食らいつくす危険な植物
花を咲かせた人花は、食人生物となって人に牙を向ける。
なぜこんなものが生まれたのかは一切不明。
36年前に発生したこの謎の植物は、人類を恐怖のどん底に叩き落した。
人花に対抗する組織の花葬隊により、人類は絶滅の危機にさらされることはなかったが、都心は地獄となっている。
ワクチン接種で人花の感染を抑えることはできるが、金がなければ受けられない。
いつどこで誰が花を咲かせて死をまき散らすのか。
そんな危険地帯にある兄妹がいた。
キンゴとカヤノ
ボロボロのアパートに住み、家賃を滞納しながら崖っぷちの生活を続ける2人。
小さいころから孤児であった兄妹だが、2人がギリギリの人生に立たされるのは、貧乏だけが理由ではない。
それは妹のカヤノが人花に寄生されていること。
人花が咲いた人間は、普通ならば他者を襲うモンスターとなる。
感染者を隠せば罰則対象。
人花の兆候が見られるものは即燃やされる。
生きる目がないはずのカヤノが、生存しているのはなぜか?
彼女は人花を操ることができたのだ。
人を傷つけることなく隠れて生活し、花葬隊に見つからず生きてきた。
しかしある日、花葬隊に発見されてしまう。
人花は即焼却が当たり前。
カヤノを助けようとしたキンゴは、花葬隊を妨害して頭に2発の銃弾を撃ち込まれた。
特大の花を咲かせたカヤノは、周囲の建物と共に花葬隊をなぎ払っていく。
全身から植物を生やしながら燃やされるカヤノの目からは、涙がこぼれていた。
人死にが出ないのが不思議なほどの暴力が吹き荒れる。
なのに結果は死者0人
死んだはずのキンゴは、なぜか意識を取り戻す。
カヤノの姿はどこにもない。
人を死に追いやってきた怪物は、その力で兄の死を帳消しにしたのだ。
自分の体に宿ったカヤノを取り戻すため、キンゴは人花に挑む。
2人の兄妹の運命には何が待ち受けるのか―――?
ワイルドストロベリー1巻の登場人物
- キンゴ:主人公。人花に寄生された妹を守るためにガムシャラに生きてきた。
- カヤノ:キンゴの妹。人花に寄生されているが人は襲わない。特異種として扱われ焼却処分されかける。
- 牧野:あだ名はマッキー。人花の研究員。人花によって兄を失った過去があり、キンゴとカヤノを自分の境遇と重ねている。
- ???:特殊花葬隊候補生の女性。人花を利用した兵器”花苅鋏(はなかりばさみ)”を持つ。
ワイルドストロベリー1巻の見所と感想
植物のハンパじゃない表現
引用元:ワイルドストロベリー 1巻
どこかの個展で展示されている絵画かな?
なんて思いましたがそんなことはなく、これは漫画のワンシーン。
巻末にはCG担当の方やデザイナーさんの名前が載っていたので、おそらくCG関連の技術で作られたのでしょうか?
これ以外にも町中の建物や炎の燃え上がり方、地面の細かい線の描きこみなどがえげつないことになってます。
これらが全て手描きであれば、とても3ヵ月刻みで出せる漫画じゃなさそうです。
僕が知らないだけで、こんな超技術を持つ漫画家がいるのかもしれませんが!
これだけの植物が1人の人間からゾロゾロと生えてくるので、どんな力があればできるのか全くの謎。
寿命とか生命力とか、その辺のモノをいろいろと削ってそうです。
流行りのAIを活用した描き方なのかな?
お互いに絶対の価値を向けるキンゴとカヤノ
引用元:ワイルドストロベリー 1巻
妹を人に戻せたとしたら君は死ぬと言われてこの表情です。
怒りも悲しみもなく、感情を一切表に出さない淡々とした発言。
カヤノを救えるなら、他のモノは全て不要。
その絶対的な意志は、自分の命にすらも価値を見出さない。
愛する者のためなら命などいらないというのはド定番ですが、こうも平然と言い切られたら、何も言い返せなくなりそうです。
幼いころから2人だけですごしてきた孤独な人生。
お互い以外に大切なものがなかったからこそ、彼らはこの価値観を持ったのだと思います。
家族で食事をするファミレスに行きたい。
そんなささやかな、けれどキンゴにとっては命をかけるに値する夢。
その願いは絶たれてしまった。
どちらかを生かせばもう一方が死ぬ。
マッキーに言われるまでもなく、キンゴはそのことを承知している。
それでもキンゴは止まらない。
自分のやりたいことに一直線な、独善的ともいえる人間かもしれません。
夢の目前にたどり着いたとき、キンゴとカヤノが重んじるのは、自分の心か相手の心か、どちらになるのか?
今のところ、妹の描写が少ないのがもどかしいですね・・・。
何だかんだで普通の一面もあるキンゴ
引用元:ワイルドストロベリー 1巻
妹以外は目に入らないキンゴ。
そんな彼が人と接している場面を見てみると、他者への思いやりも持ち合わせているようです。
腹を空かせた子供を放っておけず、少ない持ち金を崩して食べ物を分ける善人ぶりからは彼の善良な一面が見えます。
小さいころに孤児院から引き取られた先で、親代わりの大人と抱きしめ合った時には恥ずかしそうに笑う場面も。
食料を分けた子供の親も、キンゴ達を引き取った人物も、人間をバクバク食べ散らかす人花だったわけですが。
どうやら人花は暴れ回るだけでなく、人に擬態して人間社会にまぎれこむこともできるようです。
こんな場面を見ると、寄生獣や遊星からの物体Xを思い出します。
人花を操って人外の力を得たり、人花そのものがモンスターだったりするので、両作品の合わせ技といった感じでしょうか。
パクリと感じる人もいるかもしれませんが、面白ければヨシ!
というかヒロインみたいですねこのマッキー
ワイルドストロベリー1巻のまとめ
引用元:ワイルドストロベリー1巻
1巻では主人公兄妹や、人花、花葬隊といった面々が登場しました。
妹を取り戻すために自分を捨てて突っ走ろうとするキンゴ
燃やされながらもその目は兄だけを見つめる。
人間に決して致命的な被害を出さず、キンゴを生き返らせたカヤノ。
愛する人を目の前で失えば、暴走して周囲をガレキと血だまりで埋め尽くしてもおかしくない。
彼女がそうしなかったのは生来持つ優しさからなのか、自分たちだけでは死ぬだけだと確信しているからか、はっきりしていません。
彼女の内面描写がまだ少ないので、どんな考えを持っているかも気になります。
他にあげられるポイントとしては、真っ二つになったり体の中身をぶっこ抜いたりと、エグイ描写も多いのが特徴。
キンゴの回復力がケタ外れなのでこういった流れが多いのですが、ダメージ表現が頭打ちになりそうで不安ですね・・・。
心理的に殴りつけられるシーンが多くなりそうです。
とはいえ単にグロいだけでなく、反比例するように美しく描かれる花々も魅力があります。
はたしてキンゴとカヤノは、普通の人の生を取り戻すことができるのか?
容赦のないストーリー展開が気になる漫画です。
最後まで読んでくれてありがとうございました!気になった方は試し読みをどうぞ!
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ワイルドストロベリーの2巻発売日
本作1巻は2023年11月2日に発売されました。
ジャンプ漫画なら3ヵ月ごとの発売で、2024年2月ごろになりそうです。
絵の異常な描きこみ具合を見てると、あまり自信がないのですが!
ワイルドストロベリー1巻をお得に読む方法(2023年11月6日時点)
本作はいろんな電子書籍サイトを使えば、無料で試し読みできます。
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