【ウツパン―消えてしまいたくて、たまらない―】うつ病エッセイを紹介
今回紹介する漫画は【ウツパン―消えてしまいたくて、たまらない―】
うつ病になった作者・有賀(ありが)さんのコミックエッセイです。
僕自身も長いことうつ病に苦しめられたので、この漫画を記事にしてみようと思いました。
うつ病
目にするだけでイヤになる文字です。
なった本人は周りに迷惑をかけまいと隠し、周りはどう触れていいかわからなくなる。
気にしすぎ。
みんなそうだよ。
そう言われても、マイナスな思い込みは止められない。
死にたい。
周りに迷惑をかけたくないから。
死にたくない。
まだやりたいことがたくさんあるから。
働かなければ金は減る。
学校に行かなければ親に心配される。
どんなにポジティブな考えを持とうとしても、現実は手加減知らずです。
2017年のデータですが、日本のうつ病患者数は約506万人にのぼります。
世界全体では、推計2億8,000万人なんてとてつもない数です。
どちらもおよそ人口全体の4%ほど。
(引用元:「大丈夫」なんて過信は禁物!世界中で増え続けるうつ病などの精神疾患)
【ウツパン―消えてしまいたくて、たまらない―】とはどんな内容か、紹介させていただきます。
かなり自分語りが増えますが、ご了承ください。
今回はかなりハードな内容です。
作品概要 ・あらすじ
- 作者 :有賀(ありが)
- タイトル:ウツパン―消えてしまいたくて、たまらない―
- ジャンル:コミックエッセイ
- 出版社 :新潮社
- 連載誌 :くらげバンチ
- 最新刊 :1巻(2023年10月)
- 媒体 :電子書籍、単行本、週刊誌
引用元:ウツパン―消えてしまいたくて、たまらない― 1巻
しっかり寝る。
日光をあびる。
自分をほめる。
ちゃんと食べる。
マイナス発言をやめる。
それでうつ病が治るなら苦労はしない。
ある日目が覚めると、28時間寝っぱなしだった。
何もする気が起きない。
もう少ししたら起きようと決めて何日もすぎる。
「自分はうつ病なのか?」
一度考え出すとその思考は止まらず、必死の思いで精神科に連絡した。
「診察できるのは1カ月後になります」
そんなに待てない。
今すぐ助けてほしい。
全国に何百万人もいるうつ病患者。
それを何カ月何年もかけ、根気強く関わり続ける医療関係者。
生と死の振り子を揺らし続ける人生に救いはあるのか―――?
ウツパン―消えてしまいたくて、たまらない―の登場人物
- ウツパン:作者キャラ。昔から死にたいと思うことが多かった。
- 鳥:友人3人をひとまとめにしたキャラ。人間関係の重要性を教えてくれる。
ウツパン―消えてしまいたくて、たまらない―の見所と感想
他人と比べる思考が止まらない
引用元:ウツパン―消えてしまいたくて、たまらない― 1巻
なんで自分はこうなんだろう?
もっと上手くやりたい。
次こそミスしない。
どんなに気を付けてもやらかしは消えず、何かあれば自己嫌悪の嵐。
周りの人がうらやましくて仕方ない。
なんでそんなに明るくすごせる?
なんでミスしても気にせずにいられる?
相手が何を思っているかなんてわからないのに、何の問題もなく生きているのだと決めつける。
うらやんでも仕方ない。自分は自分だ。受け入れるしかないのだと。
そんな風に自分をごまかそうとしても、ネガティブな人格は変わらない。
気づけば何十年と、自分嫌いの思考をグツグツと煮込み続けていました。
おそらくこの人格・考え方は一生へばりつくのでしょう。
趣味や遊びに熱中していても、心の中には消しきれない泥がある。
そんなどうにもならない自分と向き合っている人は、多いのではないでしょうか?
イヤな記憶をスパっと消せるなんてネットニュースを見ると、お金どんだけ積めばいいかな~なんて考えます。
助けを求めることの難しさ
引用元:ウツパン―消えてしまいたくて、たまらない― 1巻
「大丈夫?」
「何かあったら相談してね?」
誰かに相談することは本当に難しい。
授業で教わることでもありません。
今ではかなりマシになりました。
うつ病が重かった時にそんなこともできないのかと言われたら、
「なんでできないんでしょうね~ハハハ」
なんて笑って流しながら心に重りを足してたでしょう。
迷惑をかけたくないというのは、きっとごまかしです。
相談できないのは人に嫌われたくないのが本音だと、僕は思っています。
- 今までたくさん迷惑をかけてきたから、これ以上負担をかければその人が離れてしまうんじゃないか?
- そんな思いが積もり積もって本音を話せない。言いたいことが言えなくなる。
この2つのくり返し。
負のスパイラルの完成です。
日本人はガマンが美徳とされているなんて風潮のおかげか、精神科・心療内科に連絡するのも全力全開。
精神力を120%しぼり出して電話をかけ、恥かしさをこらえて予約を取ろうとしても待ち時間は長ければ月単位になります。
どこの超一流レストランだって話ですね。
やっとの思いで通院を始めても、先生との相性が悪ければ、症状がよくなるどころか悪化することも。
患者数500万人を超えると最初に書きましたが、自分をおさえやすい日本人の特性からして、潜在患者数はもっとはね上がりそうです。
500万人の中で治る人がどれだけいるんでしょうか・・・?
ウツパン―消えてしまいたくて、たまらない―のまとめ
引用元:ウツパン―消えてしまいたくて、たまらない― 1巻
僕の治療経過はありきたり。
ですが死ぬまでこの恩を忘れないだろうと思います。
どうしようもない様子を見かねて連絡してくれた方々のおかげで、自分は救われました。
専門の先生を紹介してくれた方
うつ病の経験を持ち、親身に相談を聞いてくれた方
自分のやらかしをわざわざ通勤中に電話で聞いてくれた方
ウツパンの作者さんと同じですが、僕も人との縁によって人生を取り戻した身です。
たしか3回目の通院を始めたとき、うつ病になったきっかけをA4用紙にビッシリ書きなぐって先生に見せたこともありました。
転職や通院先の変更を何度もくり返しておそらく8年ほど。
今でも過去を思い出して「あのときなんであんなことをしたんだろう?」
なんて考えるクセはこびりついて消えません。
それでもそのたびに「まぁいっか!」と、頭の中でモヤをふり払えるようにもなりました。
どうやってこうまで持ち直せたのか。
もちろん人に助けられたのが大きいですが、他にも転職でストレスなく働けるようになったというのも理由にあります。
転職に関しては、運が良すぎたと言うほかありません。
人との出会いに助けられた時点でも、ラッキーだったと言えますが。
減っていく貯金。
親に迷惑をかけたくないという意地。
あせった勢いで飛びこんだ職場は天国でした。
最初は平和すぎて何かすることはないかと動き回ってましたが、今では人間関係にほとんど悩まない日々を送っています。
結局のところ、言えるのは1つだけ。
行動すること。これだけです。
僕は本当にたまたまストレスなく働ける仕事に就けました。
ただ運が良かっただけ、と思う方もいるでしょう。
ですが今ではこう言えます。
動いたから今の幸運にたどり着けたのだと。
もちろん行動したからといって、状況がよくなるとは限りません。
下手すれば、また人間関係で吐くようなことになってた可能性もあります。
それでも。それでも言います。
変わりたければ動くしかないと。
最初はなんでもいいのです。
家から出なくても構いません。
散歩なんて人目にビクビクしてとてもできないでしょう。
布団から抜け出す。
カーテンを開ける。
朝食を食べる。
飲み忘れていた薬を飲む。
昔ハマっていた本を読む。
ゲームで遊ぶ。
掃除する。
ちょっとしたことを、ほんの少しでもこなして積み上げる。
いきなりデカイことをやろうとしても無理なのです。
なんていったところで、これもキレイゴトと言われてしまえばそれまで。
どんなに自分をほめたところで、何かマイナスな出来事が起きればいっきに心は傾きます。
ウツパンの有賀さんも完治したとはいえず、漫画の最後からすると、ポジティブとネガティブを行ったり来たりしているようです。
一番大事なのは環境を変えること。
ガミガミと攻撃してこない相手。
何かあった時に相談できる相手。
1人で生きる強さを持たない人には、これらを備えた環境に身を置くのが最優先といっても間違いありません。
自分を助けられるのは自分だけ。
冷たいようですが、これが真実です。
自分を何とかするために誰かに助けてもらう。
これも言い換えれば、自分で動かなければいけないということなのだから。
漫画の中身より僕の語りが多くなりましたが、いかがでしたでしょうか?
この漫画と記事がうつ病に悩む方にとって、少しでも前に進めるきっかけになるのを願います。
最後まで読んでくれてありがとうございました!気になった方は試し読みをどうぞ!
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