【133cmの景色】1巻あらすじや見所を解説 弱さを強さに変えられるか?
今回は漫画【133cmの景色】のあらすじ・登場人物・見所をざっくり解説していきます。
本作はコミックバンチ2022年12月に読み切り漫画が掲載され、SNSで話題となって2023年5月から連載が始まりました。
女性主人公の吉野華は、子供の頃に成長が止まる病気にかかってしまう。25歳にしてその身長は133cm。
厚生労働省の資料によると、この数字は9歳の平均身長とほぼ同じです。
努力では絶対に超えられないハンデ
周りの心無い言葉にさらされ続ける人生
いつしか自然と出るようになった諦めの笑み
どうがんばっても年相応に見られることがない彼女は、一体どれだけ涙を流し、どれだけのものを諦めざるをえなかったのか。
それでは紹介に入らせていただきます。
コンプレックスに悩む人にはオススメの漫画です。
作品概要 ・あらすじ
- 作者 :ひるのつき子
- タイトル:133cmの景色
- 出版社 :新潮社
- 連載誌 :コミックバンチ、バンチコミックスコラル
- 最新刊 :1巻(2023年8月)
- 媒体 :電子書籍、単行本
食品会社に勤める女性 吉野華。
133cmという身長の彼女は営業先でも迷子と間違えられてしまうが、慣れているのか笑顔で対応できるタフな女性だ。
世話焼きの上司からはもっと男性へのアピールをがんばらないとと言われ、合コンでは小学生みたいと笑われる彼女が浮かべる笑顔はどこかはかない。
行きつけの居酒屋でくだを巻いていると、隣に会社の同僚が席に着く。
岩見は無表情で淡々と仕事をこなす新人だ。
彼女は、自分は自分だと貫ける彼をうらやましがる。
彼が強い人間だと思われるのは、単に感情が表に出にくいからではない。
顔面麻痺により、表情を上手くつくれないからだ。
勝手に背負わされた重いハンデに苦しむ2人が行く末とは―――?
133cmの景色の登場人物
- 吉野華:本作の主人公。子供の頃に病気にかかり成長できなくなってしまった。
- 岩見 :華が勤める会社の新人。顔面麻痺により感情表現が上手くできない。
- 居酒屋の店員:華が通う居酒屋の店員。この人がいなかったら物語は始まらなかったかもしれない。
- 心愛 :華の同僚。彼女を色眼鏡で見ない女性の1人。彼氏いない歴3ヵ月。
- 直美 :華の同僚。彼女を色眼鏡で見ない女性の1人。彼氏いない歴4年。
- 金子 :華の上司。人脈作りに余念がない努力家。
133cmの景色の見所
コンプレックスに負けない強さを見せてくれる2人
引用元:133cmの景色 1巻
これは世話焼きの女性に態度をとがめられる岩見の1シーンです。
下手をすれば仕事に支障がでかねない態度を、彼は表情1つ変えず貫きます。
俺は俺だ。私は私だ。
漫画やアニメでは熱い展開を後押しする鉄板名言ですが、自分に言い聞かせるのではなく、言い切れる人が果たしてどれだけいるでしょうか?
顔面麻痺にかかっている岩見は、その無表情から強い心の持ち主に見えます。
心の奥底に負の想いを抱えていないとは断言できませんが、彼の態度を強さと受け取る人は多いでしょう。
それが良い面に働くこともあれば、悪い方向に動くことも当然出てくる。
雑談で笑い話を楽しめず、好意を表情で伝えることもできない。
言葉の選択を間違えれば、相手を誤解させてしまうかもしれない。
喜怒哀楽の感情表現を言葉でしか伝えられない彼は、どんな苦難を歩まされてきたのか。
引用元:133cmの景色 1巻
これは酒のつまみの商品開発の営業先で、見た目を理由に仕事を断られかけている1シーンです。
今まで彼女は見た目を理由に何度も断られ、あきらめ続けてきたのでしょう。ですが、岩見の生き様を目の当たりにして彼女は変わりました。
自分が自分であることをなんで謝らなければいけない?
あるがままに生きているだけでなんで否定されなければいけない?
普通に暮らせている人には絶対に味わえない苦難を味わってきた彼女は、ようやくその地獄から抜け出す一歩を踏み出せました。
きっと何度も枕を涙で濡らしたでしょう。
当たり前のように否定され続けて、自己肯定感を育てるのも難しかったはず。
そんな彼女が見せる凛とした表情は、格好いいと言わざるをえません。
ちなみに「俺は俺だ」という言葉で僕が頭に浮かぶのは、ヘルシングの某少佐やグレンラガンのシモンです。
言葉を選ぶことの難しさ
引用元:133cmの景色 1巻
小さな犬を怖がる岩見を見て、そのギャップに吉野は思わずこの言葉を使います。
日常の1シーンですが、岩見の表情からは「またこのパターンか」という彼女と同じ思いが見られるよう。
ギャップを感じるポイントは人それぞれです。
しかし彼の場合は、その鉄面皮のために本当の自分を理解してくれる人が少ないはず。
彼もまた彼女と同じように、あきらめ続けてきた1人なのかもしれません。
表情から相手の感情を読むのが得意な人はいますが、彼にそれができる人がいるとすれば、それはもはや一蓮托生の伴侶のようなものです。
彼の表情から考えていることを当てる、なんて芸当を吉野が披露する展開があるかもしれませんね。
何てことない1コマで伝わる大切なこと
引用元:133cmの景色 1巻
個人的にこの店員が、主役2人を除いて一番のお気に入りです。
せっかくのお客さんを逃がさないための営業トークかもしれませんが、別に帰る必要はないという言葉は、2人にとっては心に届く肯定だったのではないでしょうか。
言葉は伝える側と受け取り側でその意図が変わるモノ。
ふと漏れた言葉が相手を喜ばせたり傷つけるなんてことは日常茶飯事です。
日頃の思考や習慣は、言葉となってその人の人格を表します。
普段から人の嫌な所ばかり見ている人は、マイナス面ばかりを見る癖が付いて愚痴が増えてしまう。逆に良い所を意識して見つけようとする人は、人のプラス面を見つけやすくなる。
どちらが他人に対して良い言葉を向けられるかは明白。
自然体で人との良縁を築いていける人間でいたいものですね!
かといって悩み過ぎると会話ができなくなるので、コミュニケーションは本当に難しい💦
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133cmの景色のまとめと感想
引用元:133cmの景色 1巻
僕が133cmの景色を読んで学べると思ったポイントはこの3つです。
ふと漏らした言葉に一喜一憂するのは気にしすぎかもしれませんが、今の世界は人を簡単に傷付けられるようになってしまっています。
顔の見えない相手の言葉なんてスルーしてしまえ、というのは単純明快な解決方法ですが、それができれば心療内科が予約であふれかえるなんてことにはなっていません。
過去にとらわれながらも笑顔を絶やさず、理不尽に立ち向かいながら凛として立つ彼女の姿には尊敬の念を覚えます。
悪気のない善意の押し付けに真っ向から反論できる強さを持つ人が、どれだけいるでしょうか?
人に優しさや謝れる心構えを教えるのはどんな授業よりも難しいと思いますが、133cmの景色を読めばその姿勢にほんの少しでも近づけるのではないでしょうか。
最後まで読んでくれてありがとうございました!
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