国を変える少女【エレナの炬火】1巻あらすじ・見所をネタバレ紹介
今回紹介するのは【エレナの炬火(きょか)】
炬火とはたいまつやかがり火を意味します。
銃や爆弾といった火器が登場する世界で、猫耳の生えた人種がいたりする架空のファンタジーです。
といってもその内容は戦場での争いではなく、戦後の福祉をメインとしたもの。
戦場で傷つき、帰らぬ人を待ち続けて心を病み、1人では生きられなくなった人々が集められる医院、紫蘭館。
主人公エレナが働き始めるところから物語は始まります。
1人では満足に食事もできない人々が衰弱し、亡くなっていくのを見て心が擦り切れる職場で、彼女はひたすらに患者と向き合う。
その生き様はのちに大きな流れをを生み、熱意は周りに広がりやがて国をも動かす。
これは1人の少女が、世界を変える物語。
この漫画は、決して他人事ではありません。
作品概要 ・あらすじ
- 作者 :小板玲音(れお)
- タイトル:エレナの炬火(きょか)
- 出版社 :KADOKAWA
- 連載誌 :青騎士
- 最新刊 :1巻(2023年8月時点)
- 媒体 :電子書籍、単行本
豊かな自然に恵まれ、勤勉な国民を有するノルド共和国。
しかし豊かであるということは、他者から狙われやすくなるということ。
1939年、ノルド共和国は隣国ヴァストク連邦からの侵略を受ける。
小国であるノルドは周辺国の支援もあって善戦するものの、国力差の暴力には勝てず、1944年に敗北する。
敗戦から6年。
必死に働く国民の尽力により国は再興し始めるが、戦争の傷跡は深く刻まれており、1人では生きられなくなった戦傷者が多数存在した。
同情できる境遇には間違いないが、同時に社会は彼・彼女らを助けることをためらう。
復興に全力を注ぐノルドにその余裕があるのか、と。
臭いものにはフタをすると言わんばかりに、体や心を病んだ患者が集められた紫蘭館。
のちに福祉において、国をも動かすことになるエレナの物語はここから始まる。
戦後に取り残された者たちと向き合う彼女が見るものとは―――?
引用元:エレナの炬火 1巻
エレナの炬火の登場人物
- エレナ:本作の猫耳主人公。面倒見がよく、介護の仕事にあっという間に慣れる。
- サナ :エレナの友人。彼女の教育係を務める。
- ヘンリッカ:エレナが初めて担当する患者。脳と心を病み、まどろみの中で生きている。
- ヴィーリ:紫蘭館の庭師。エレナのがんばりに影響されて手伝うようになる。
- 館長 :紫蘭館の館長。冷徹に見えるが、患者を守る意思を貫徹する女傑。
- イーロ:銃神と呼ばれたこともある戦争で活躍した狙撃兵。
エレナの炬火の見所
エレナの強さ
引用元:エレナの炬火 1巻
エレナは初めに、患者の中でも比較的向き合いやすいヘンリッカという女性を担当します。
あくまで他と比べてというだけで、こちらからの問いかけにほぼ反応しないむごさから、常人では目をそむけたくなるのではと思ってしまいますが。
食事では一口一口を飲み込むまで待ち、服を着せ替え、排泄の世話、清潔に保つためのシャワー浴や体拭き、車いすからベッドへの移動などを連日こなすのは、考えるだけで参ってしまいそうです。
これらを笑顔でこなせるだけで彼女は並外れている。
特に排泄の処理ですが、僕自身は健康診断で検便するのさえ嫌な気持ちになります。
ましてや世話をするのは身内ではなく、今まで関わりのなかった赤の他人。
介護でなくとも、誰かの看病をしたり肩を貸して歩く、といった人助けをしたことがある人なら、彼女のすごさが伝わるのではないでしょうか。
介護業界で働く人の強靭さは尊敬せざるをえないですね💦
老兵はただ去るのみ。しかしただでは終わらない。
引用元:エレナの炬火 1巻
老いたキャラが最後に命を燃やす姿というのは、どうしてこうも心を揺さぶるのでしょうか?
銃神と呼ばれたイーロ。
戦争でノルドを守るために獅子奮迅の活躍をした彼もまた傷つき、紫蘭館で余生をすごしていました。
左顔面は焼けただれて衰弱しきり、彼はもうじき最後を看取られるはずだった。
しかし、戦中で撃退した部隊の生き残りが彼の居場所を突き止める。
戦争が終わったとはいえ、死の恐怖を向けてきた相手への怨念が消えることは早々ありません。
イーロを隠せば暴力に訴えるという相手は、エレナたちへの恫喝をまったくためらわない。
もっとも、国際情勢を荒らしかねない部隊員には軍の上層部も手を焼いていたようで、その場は館長が軍への連絡を取ることで場は収まります。
しかしこういった輩は長生きできないのがお約束。
一度は引いたものの、戦傷者が大勢いる医院を攻撃しようなどと息巻く人間がマトモな最後を迎えられるわけもなく、イーロは人生最後の銃弾を撃ち込み道連れにする。
どんな理由があろうと人を殺せば、安らかに人生を終えられないということなのか。
銃撃に最後の力を振り絞った彼は、満足げな笑顔を浮かべることなく口は固く引き結び、眉間にしわを寄せた顔で命を終えた。
彼の最後を看取るはずだったエレナたちは、その表情に何を思うのでしょう?
イーロを格好いいとは思いますが、自分が最後を迎える時は笑っていたいものです。
エレナの炬火のまとめと感想
引用元:エレナの炬火 1巻
この漫画は長寿国に住む僕たち日本人に、大切なことを教えてくれます。
こんなことを言ってはなんですが、この漫画は綺麗すぎると思ってしまいました。
確かに人を介護する時の過酷な職務、体をふく・食事の介助・糞尿の処理といった点は説明されている。
重症患者のいる2階では、廊下を歩くだけで糞尿の臭いがしてくるとも描写されており、決して綺麗な話だけではありません。
おそらく本気で描けば、もっと凄惨な絵面になってしまうのではないでしょうか。
話は飛びますが、日本の寝たきり患者を調べてみたところ、こんなデータがあります。
長寿国として有名な日本では、平均寿命に対して健康寿命は男性で約9年、女性で約12年も短いと言われています(『健康日本21(第二次)』の推進に関する参考資料より)。つまり、長生きしているとはいえ、あくまでも平均ですが、最後の約10年間は寝たきりや認知症など健康問題を抱えて生きているということになります。
引用元:日本が「寝たきり大国」になってしまった理由:
この資料は2019年の物ですが、それでも近い数字であることに変わりありません。むしろこれから高齢者層がもっと厚くなるのは、みなさんご存知のはず。
必死に働く内に体を壊して心を病み、物に当たり散らすようになり、家族に見限られて孤独な最後を迎える人がどれだけいるのか。
不慮の事故や突然の病気発症で、何の覚悟もできない内に人生が終わる。
今がよければいいという刹那主義で暴飲暴食豪遊の果て、早くに亡くなる人もいます。
夢なし先生の進路指導でもありましたが、日本はお先真っ暗だのと悪いニュースが後を絶ちません。
これに関しては、1つの情報源から情勢を判断するのは危険という考えがありますが、本題ではないので割愛します。
夢を叶えるため、家族を守るため、無茶をしなければ人生が行き詰ってしまうために体を酷使する人もいるでしょう。
そんな人たちに休めと言って立ち止まってくれると思えるほど、僕は楽観主義者ではありません。
だからせめて余裕のある人たちには、ギリギリで生きている誰かを手助けしてほしい。
他者へ負担をかけ過ぎずに生きられるような生活をしてほしい。そう願います。
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