【夢なし先生の進路指導】1巻あらすじ・見所・感想をネタバレ紹介
今回は漫画【夢なし先生の進路指導】のあらすじ・見所・感想を、少しばかりネタバレしつつ解説します。
後半に2話無料の試し読みサイトも載せているので、気になる方はどうぞ!
本作は、あまりにも現実的な指導方法から「夢なし先生」と呼ばれている教師の高梨と、夢を抱いて突き進む生徒の交流を描いた漫画です。
その面談は心暖まるものではなく、生徒の夢に関する情報を片っ端から調べ上げて、理想への道中にある現実を突きつけるもの。
夢を諦めるのはただの妥協なのか?
夢を叶えられなければ人は幸せになれないのか?
夢を諦めた高梨が生徒に語りかける言葉は、どこまでも直接的で容赦がない。
彼の言葉は僕たち読者にも突き刺さります。
面談を受けた生徒がどんな進路を選択し、どんな人生を歩むのか。
それでは紹介していきましょう。
夢に燃える方の一助となる漫画です・・・多分!
作品概要 ・あらすじ
- 作者 :笠原真樹
- タイトル:夢なし先生の進路指導
- 出版社 :小学館
- 連載誌 :ビッグコミックスピリッツ
- 最新刊 :1巻(2023年8月)
- 媒体 :電子書籍、単行本、週刊誌
三田こずえは声優に憧れている女性生徒だ。
正義感が強く、目の前で理不尽が起これば黙って見過ごせずに首を突っ込みながらも、状況を上手くさばく強さを持つ。
ある日、「夢なし先生の進路相談」と言われる面談で、彼女は高梨から業界の闇を突きつけられる。
声優志望者の増加率・人気事務所の倍率・若者を食い物にする悪徳養成所・一定年齢を超えた時のリスク
夢を諦めるなとずっと言われ続けてきた彼女は思わず反発する。
親の説得に苦労してまで、自分で何かを目指したいと思ったのは初めてのこと。この意思は絶対に変わらない、と。
目をそらさずまっすぐに見つめる彼女は最早止められない。
それでも高梨は忠告する。
「夢」は人を殺しかねない「呪い」です。
その言葉の意味を、彼女は身をもって思い知ることになる。
現実に重きを置く教師と、理想に燃える生徒の対話の行く末とは―――?
夢なし先生の進路指導の登場人物
- 高梨:本作主人公。寝ぐせに加えて目の下に隈がある「夢なし先生」。
- 三田こずえ:声優志望の女子生徒。夢に燃えていたが、業界の陰湿さに挫折する。
- 伏見:電車運転士志望の男子生徒。夢をかなえるが、目の前で身投げを見てトラウマになる。
- 夏野:メンズアイドル志望の男子生徒。高梨に過激な反発行動を取る。
- 桐ヶ谷:生徒の自主性を重んじる教頭。高梨と反発している。
夢なし先生の進路指導の見所
熱意を見せない高梨から感じられる熱意
引用元:夢なし先生の進路指導 1巻
この人の物言いはあまりにも直球すぎて、生徒どころか同僚からですら批判の声が上がります。
夢に燃える若者を後押しするのが大人の役目、という人もいそうですが高梨は真逆の人物です。
進路面談では、職業に関する倍率や業界の衰退を調べて生徒に一切ごまかさず伝え、夢に破れて人生が終わってしまった人物の例さえあげる。
淡々と、無表情に茶化すことなく、夢の恐ろしさを伝える彼からは熱意が感じられません。
しかしそれはあくまで見た目だけ。内に秘めた気迫は他の教師とは比べ物にならない。
声優になった生徒が担当したアニメキャラを漏らさず把握し、鉄道業界を目指す生徒が過去に文化祭であげていた写真の素晴らしさを伝える。
不定期開催の同窓会で見ない顔があれば、家族に連絡先を聞いてまで本人を探す。
とても熱意のない人間にできる芸当ではない。
それでいて彼は、挫折した元生徒を言わんこっちゃないとけなすのではなく、その努力をほめる。
教師でなければ詐欺師にでもなってそうなキャラです。
普段からボサボサの寝癖頭で目の下に隈を作っているのは、生徒の夢について調べるために時間を削っているからでしょう。
一体、過去に何があればこんな人間になるのでしょうか?
GTT(グレートティーチャー高梨)と僕は勝手に呼んでいます。
現実を押し付けるだけではない伝え方
引用元:夢なし先生の進路指導 1巻
高梨は確かに業界の情報を調べ上げて生徒に伝えますが、ただ一方的に押し付けるだけではありません。
自主性も重んじ、あくまで最後の決定は生徒に任せる。
彼が自分を正しいと信じるだけの人間ならば、おそらく生徒の心を完膚なきまでに粉砕してしまっています。
といっても、彼の面談を受けて泣いてしまう生徒もいるのですが、それでも彼は自分のやり方を曲げません。
相手への否定は時として攻撃と受け取られる。
彼の言い方に感情が欠けているのもありますが、夢を目指そうとする若者に問題を突きつけるなど、「お前は現実を知らないバカだ」と断言するようなもの。
実際、高梨は生徒を無知無謀の向こう見ず(だからこそ尊い)と評している。
周りの空気を気にせずに自分の意思を通せるのは強さですが、彼のそれはまぶしすぎて目をそらしたくなります。
もう少し周りに敵を作らない言動にしてほしいですね・・・。
夢なし先生の進路指導のまとめと感想
引用元:夢なし先生の進路指導 1巻
生徒に諦めることも悪くないと伝えながら、それでもゆずれない一線はあると宣言する所に高梨の人間味を感じられます。
僕が本作を読んで強く印象付けられた点がこちら。
【夢なし先生の進路指導】は夢に燃える若者だけでなく、ただ何となく生きている大人の心にも突き刺さります。
今の時代、夢を叶えるために全力で生きている人がどれだけいるでしょうか?
30年以上生きてきましたが、流されに流されてきたからか、そういった熱意を持つ人と会ったことはほぼありません。
同僚や上司とは日々の愚痴ばかりで何も変わらず、休みは体と心の疲れをいやすために消費するだけ。
今の自分に満足しているか?
変わるために何かできることはないか?
本作は、人生を変えたくても何をしたらいいかわからない、という人の道標になりうる漫画の1つ。
カイジのように現実を辛口で見る漫画はあふれていますが、そんな今だからこそどんな話の持っていき方をするのか、先が気になる作品です。
最後まで読んでくれてありがとうございました!
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