【漫画紹介】内藤泰弘氏の傑作!トライガンの魅力とそのテーマについて
今回は内藤泰弘氏が描いたSFガンアクションのトライガンの漫画版
そのメインキャラクター3人について熱く語らせていただきます。
恨み恨まれ復讐を重いテーマとしており、その苛烈な描写は、相手への配慮や攻撃することへのためらいを考えるきっかけになりうる。
初めての読者から熱いファンの方まで、トライガンの世界を新たに探求する一歩となるでしょう。
作品紹介・あらすじ
- タイトル:トライガン/トライガンマキシマム
- 著者:内藤泰弘
- 出版社:少年画報社
- ジャンル:SFガン・アクション
- 掲載誌:月間少年キャプテン→ヤングキングアワーズ
- 媒体:電子書籍、単行本
荒くれ共がのさばる砂漠の星
あらゆる物質の生産を可能とする生体動力炉プラント
プラントがなければ人はかわいて干からびる
人の争いが日常茶飯事
そんな星を舞台にして銃1丁を手に旅する男が1人
その名はヴァッシュ・ザ・スタンピード
またの名を人間台風【ヒューマノイドタイフーン】
この男が騒動に関わればその周りはただではすまない。
本作はこの男の軌跡と奇跡を追う物語である。
トライガンのメインキャラ紹介
ヴァッシュ・ザ・スタンピード
主人公にして作中最強のガンマン
赤いコートを身にまとったツンツン頭でとらえどころのない男
他の人間とは比べ物にならないタフネス
遠く離れた相手の顔面をかすらせる射撃
銃弾とは桁違いな威力の砲弾に対してワンホールショットで狙いをそらす。
相手集団の配置を一瞬で見極め、通路角から顔も出さずに銃だけ向けて撃ち倒す。
銃の腕では誰にも負けない彼の人格はとてつもないお人好し
どんな状況でも殺生は禁じており,たとえ自分を殺しにくる相手でも殺さず,その様子は病的にさえ見えてしまう。
多くの仲間を生き地獄に落とした相手でさえ絶対に殺そうとはせず、むしろ助けようとする。
周囲からはその生き方を疑問視されることが多く,相棒からでさえも最初は完全に否定されています。
不死身といえるその正体はなんなのか
誰1人殺すことなく平和を叫ぶのは何故なのか
謎の多いその正体が物語の中心です。
ラスボスへの口上は震えるほどに最高ですね!
ニコラス・D・ウルフウッド
人の背丈程もある十字架を背負う牧師
出会いは砂漠で行き倒れそうになっているウルフウッドを、ヴァッシュが発見するところから始まります。
陽気な性格で関西弁(SFで関西弁と言うのもおかしいですが)を話し、一見気風の良いあんちゃん
しかしそこは人間台風の相棒
バカでかい十字架を持ち歩く牧師が普通であるはずがなく、むしろロマン担当といえるでしょう。
銃の腕もヴァッシュ程ではないにしろズバ抜けており、そこらの凶悪犯罪者やサイボーグなら軽く蹴散らします。
布をほどいた十字架からは大口径の機関砲が飛び出し、その後部からはロケット弾もぶっ放すステキ兵器の名はパニッシャー
こいつを鈍器として振るうパニッシャー同士の激しい殴り合いが、ウルフウッドの1,2位を争う見せ場です。
ヴァッシュとは意見が対立しながら深い所では似ている面もあり、息の合った場面をこれでもかと見せてくれるコンビ
とても牧師とは言えないこの男が何故ヴァッシュと旅をするのか。
正体を明かす回はトライガン最大の泣き所です!
ミリオンズ・ナイヴズ
ヴァッシュの宿敵
人間全体に底知れぬ殺意を向けている。
星の住民どころか宇宙に散らばる人類抹殺を誓う男
その殺意は自身の配下であるGUN-HO-GUNS(ガン・ホー・ガンズ)にさえ向けられています。
GHGもその殺意は知っているものの、圧倒的な実力差の前に反抗できません。
中にはそれを知りながらナイヴズに従う者も・・・
ある男は一度ナイヴズに挑もうとしますが、むりやりメンバーに加えられた時のトラウマを思い出し、全身を震わせてその場に座り込んでしまいます。
想像を絶する切れ味の刃を自在にあやつり、速度・射程距離もすさまじい。
体を覆って銃弾の嵐を受け止める
地図を塗り替えると宣言して町1つ斬りきざむ
人口衛星を地上から真っ二つ
などなどラスボスにふさわしい行いでしょう。
ヴァッシュとナイヴズが戦う原因となる話はあまりのひどさに震えてきます。
作中行動のぜひはともかく、ナイヴズに共感する人さえ居るかもしれません。
ここら辺は意見が分かれそうですね。
ヴァッシュを何度もひどい目にあわせていますが、これでもヴァッシュ大好きなのです。
自分とヴァッシュ以外の人間を消そうとするほどの激情
鎖でつながれて動けなくなった彼を放置してそのまま分かれたこともありました。
しかしそれは、自分達が人間とはかけ離れた存在であると確信しているから。
実際、ヴァッシュは何度も行き倒れて誰かの世話になることが多いです。
けれど、人ならとっくに死んでもおかしくないダメージから数日もかからずにコロっと回復しています。
ここまで重い感情を持ったラスボスは中々いませんね!
トライガンの見所
その1:息をのむ緊張感の戦闘シーン
まずはいろんなステキ技・武器による戦闘シーン
サイボーグやらトンデモな重火器が主力であり、中には仕組みが謎な武器もあります。
あと体格の良すぎる人間が多いのもポイント
トライガンの魅力の半分は敵のハチャメチャにあるといえます。
重火器が主役の作中、刀一本で銃弾の嵐をはじくサムライ
会話できる人間そっくりな大量の人形を同時にあやつる老人
サックスから衝撃波出したり音に関しては作中1番頭のおかしい男
体を丸ごと覆える大きさの回転・飛翔する盾?でヴァッシュを追い詰める復讐者
2丁の十字架型銃器を手に自由自在に飛び回り、ウルフウッドと激しい死闘を繰り広げる男
バカでかいアタッシュケースから人の大きさ程の杭を無限に撃ちまくるGHG最強の魔人
何百何千の人間を操ることができ、重傷で死にかけた自分の体さえもあやつって全身血だるまになりながら戦う男
ホントこの作品は魅力あふれるキャラが多くて困っちゃいますね!
その2:ヴァッシュの苦悩と答え
ネタバレするのが苦手なのでなるべくふんわりと書いてみます。
ヴァッシュもわざとではないですが人間に大きな被害を出しているので、受け入れられないのは仕方ないといえるでしょう。
それもこれも全部ナイヴズがしかけたことなんですがそれは置いといて
それでも彼は石を投げられながら微笑を浮かべて逃げます。
読んでるこっちまで泣きたくなるような切ない笑い方です。
何度裏切られたか
何度傷付けられたか
何度理由も無く疑われたか
体に重い傷を残すキャラはたくさんいますが、彼ほどその重みを感じられるキャラはいないのではないでしょうか。
中盤、ナイヴズとの問答で彼が出す答え
たとえ拒絶されてもほとぼりが冷めたらまた人と寄りそって生きていく。
こんなことを言える人間はいないでしょう。
漫画と現実をごっちゃにするなといわれそうですが・・・
世の中広いのでひょっとしたら居るかもしれませんが、少なくとも自分には絶対できません。
殴られ、痛めつけられ、暴言で傷つけてきた相手に敵意を持つなと言う方が無理です。
けれどこの作品を読んだら少しは世の中平和になるんじゃないか
なんて思ったりします。
トライガンの不満点
正直、この漫画が大大大好きなので不満は無いといいたいですが気になる点もあります。
それは戦闘シーンのわかりにくさ
ハデなのはいいんですが、攻撃のぶつかり合いで起こる衝撃の表現が多いです。
これだけはどうしても気になってしまいます。
別に嫌いではないのですが、中には何をしたのかよくわからず相手がすっ転ぶシーンも出てきたり。
これに関しては自分が表現を読み取る力がたりないかもしれないですね・・・
トライガンのまとめと感想
不満点がないわけでもないですが、それを補って問題にならないくらいの名作です。
特に暴力と憎しみの表現
命懸けのお人好しであるヴァッシュでさえ、その心に負の想いがないとはいえません。
暴力を振るうことがどういうことなのか
暴力を振るわれた相手が何を思うのか
学校の図書館にでも置けないかなぁ・・・
いやちょっと描写がエグイから無理かな?
いろいろ自分の心情を語ってしまいましたが今回はここまで!
最後まで読んでくれてありがとうございました!
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