【漫画紹介】「くちべた食堂」店員と常連客のぎこちなくも暖かい交流
みなさんは1人で出かけることはありますか?
僕はカラオケが大好物なので、ちょくちょくヒトカラしてます。
他には旅行、焼肉、サイゼリヤ、パフェあたりも。
世の中にはあふれる熱意に身を任せて、ディズニーへソロ突撃する強者もいるとか。
さて、今回紹介するのはそんなソロ活動を後押しする(かもしれない)漫画の【くちべた食堂】
5年もの間気になりつつも、行きそびれていた食堂の常連になる女性教師と店員さんのお話。
タイトル通りのくちべたっぷり、お互いに何を言おうか迷ってどもる様子には共感する人が多そうです。
それではいってみましょう!
作品紹介・あらすじ
タイトル くちべた食堂
著者 梵辛(ぼんから?)
出版社 株式会社KADOKAWA
毎日を忙しくすごす女性教師〈柳 凛〉
お客さんの少なめな【味処くちなし】を盛り上げようとがんばる店員さん〈くちなし日代乃〉
ある日、5年間スルーしていたくちなしのランチに感動し、柳さんは常連になると決めます。
5年間、店をスルーし続けていたその女性を店員さんはきちんと覚えていました。
お昼時に空腹で歯ぎしりしながらうろつく様子を見て、いつか来てくれないかと待ち望んていたお客さんとの出会い。
お互いに話したいことがありつつも、変に思われたらどうしようとなやんだ結果
「また来てね」「また来ます」
言いたいことが重なって思わず笑うお2人さん
そんなちょっとしたほのぼのから、くちべた食堂は始まります。
キャラ紹介
柳 凛(やなぎ りん)
オレンジ色のロングヘアーな美人さん
好きな食べ物はフルーツカレー、卵とじカツ丼、ワンタンメン
学校のプール掃除をテンション上げつつ遊んで乗り切ったり、夜遅くに生徒の相談に乗ったり、生徒からヤナギちゃんと呼ばれたりの人気教師です。
考えが顔に出やすく、顔をしかめたりニンマリしたりの百面相で店員さんは料理を失敗したかもとあたふた💦
こんな人が常連にいたら、絶対お客さん増えるやろって思いますな。
客が少ないからと5年間スルーしていた【味処くちなし】に、ドハマりして常連になります。
普段は生徒と普通に話しているのに、くちなしの店員さん相手になると口が開かなくなる。
本人が言うには、5年間目が合いつつもスルーし続けたから話しかけにいきにくいそうな。(気持ちはわかる
仲良くなりたいと思いつつも会話はできないのに、お金を下ろす・ランチのメニューを頼むのをジェスチャーで伝えたりと、謎のコミュ力を見せつけます。
店員さんがエプロン3着をローテーションしているとか、頭巾にいろんなピンを付けてるとか、観察力も高い。
常連になるとそういう細かい所も見るようになるんでしょうかね?
苦労してそうなゴツいのとその弟分っぽい2人組に、名乗らずデザートをおごったこともある。どうも人情話に弱い様子。
西部劇のバーで酒をおごるシチュエーションは、人生1度でいいからやってみたいもんです。
店員さんのふとした一言にいやされて、心の肩こりがほぐれていく柳さんにもまったく同意!
くちなし 日代乃
【味処くちなし】で働く店員さん
肩口に伸ばした髪をポニーテールにした可愛いよりの美人さん
こんな人が店員さんだったら喜んで常連になりますとも。
好きな食べ物は茶碗蒸し、ロールキャベツ、カボチャグラタン
もともと叔父が開いていた店に小さいころから通っていただけで、食堂の店員ではありませんでした。
唐揚げをうんまいうんまい言ってたら、叔父はそれを聞いてハッスル。どんどんメニューが増えてったりとほんわか家族。
妹の陽香(はるか)とも仲が良く、以前は盛況とは言えなかったランチタイムが忙しくなってるのを知るとガッツポーズ。学業の合間に手伝ってくれます。
ある日叔父が体調を崩して入院。店じまいにするかもしれないと聞いた日代乃さんは、他の人に店を渡すくらいなら自分がやると宣言。
最初は上手くいかず、常連の足も遠のいてしまいました。
けれど、叔父の応援もあってなんとか店を続け、だんだんと人気店になりつつあるようです。
今は叔父の味に追いつこうと必死ですが、いつかは自分の店を持ってみたいそうな。
くちべた食堂の見所
いやしポイントは多いですが、それだけではないということをお伝えします!
ぼっち理解力の高さ
梵辛さんがどういう人生を歩んできたのかわかりませんが、登場人物の考えに共感することが多いです。
美味しかったの一言が出ない、相手をほめたいのに言葉が浮かばない、距離感の詰め方がわからない、出かけた先で知り合いとバッタリ会ったときの対応などなど
コミュニケーション能力鍛えるのって集団に飛びこむしかないんでしょうけど、空気をぶち壊したらどうしようと悩んでだんまり。
会話をうまく続けるのってホント難しい…
応援したくなるもどかしさ
これは読んだら誰もが思うのかもしれませんね。
2人が想いを伝え合うために、相手との距離をジワジワと詰めていく様子。
これだけ書くとラブコメ漫画みたいですが、他に浮かばないのでこんな表現になりました。
お互いの仕事の境遇を考えて相手をほめたり(頭の中で)、店の5周年祝いに花を届けたり(柳さんは渡して即ダッシュ)
話が進むといつの間にか気安い態度になってて、思わずガッツポーズです!
服装の豊かさ
僕のセンスが壊滅的だから思うのかもしれませんが、出てくるキャラの服装がコロコロ変わるので、読んでて感心させられます。
日常漫画は同じ服で話を進めるイメージだったんですが、くちべた食堂ではいろんなキャラがいろんな服でオシャレさん。なんなら髪型もコロコロと。
漫画家は自分が経験したことしか描けない、なんてどこかで聞きましたが、だとしたら梵辛さんはよっぽどオシャレレベルが高いのでしょう。
もし自分が漫画描いたら、迷わず同じ服を使いまわし続ける絵になってしまいます・・・
スライムすら描けるかあやしい絵心なんで、その道には入りそうにないですが!
くちべた食堂の不満点
本を読み終わると、しばらくはいやしシーンを思い出して心がほわほわします。
またしばらくすると、こんな人たちいるわけないという現実に打ちのめされます・・・
ひょっとしたら、僕が知らないだけで世の中こんな天然人がいるのかもしれません。
財布のためになるべく外食はしてないんですが、少しくらいハデに食べてもいいかも、なんて思ってしまいますな!
くちべた食堂のまとめ
マジメな話、推しの人・物・店がいつ消えてしまうかわからない世の中。
推せる余裕や機会があるなら迷わず突撃するべきだと、くちべた食堂は教えてくれました。
実際、昔から通っていた飲食店がつぶれてしまったなんて話は最近よく聞きます。
僕が住んでいる町でも、ここ数年の間で明かりの消えたテナント募集の建物が増えました。
後悔は人生にへばりついてくるものですが、それでもなるべく大事なものを手放さないように生きたいもんです。
ここまで読んでくれてありがとうございました!
4巻は日陰が恋しい残暑・食欲でヨダレが止まらない秋のお話になるとのこと。
ここまでよんでくれてありがとうございました!
この記事を読んで、くちべた食堂を手に取ってもらえたら幸いです。